ロラン・バルトの写真論
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第259号 2025/07/21 『ロラン・バルトの写真論』
▼ まえがき
▼ (1)世界的な写真コンテストの入賞作はAI生成画像
▼ (2)アナログ写真→デジタル写真→画像生成AI
▼ (3)アナログ写真の革命性:技術的複製可能性
▼ (4)アナログ写真の革命性:現実を機械的に再現する能力
▼ (5)StudiumとPunctum
▼ あとがき
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まえがき
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こんにちは。蒲生嘉達(がもうよしさと)です。
第258号から画像生成AIをテーマにしています。
ネット上で見つけた下記記事を元ネタにしています。
「AIによる画像生成、私たちの想像力の汚染」
https://aokistudio.co.jp/ia-pollution-of-the-imaginary.html
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(1)世界的な写真コンテストの入賞作はAI生成画像
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令和7年7月19日(土)の産経新聞に「AIが揺るがす真実性」という記事が
載っていました。
その記事についての産経新聞による要約は次のとおりです。
「写真は約200年前に誕生し、視覚情報の革命をもたらした。
しかし近年、人工知能(AI)の進歩で実在しない画像が氾濫し、
その役割が脅かされている。」
記事の冒頭で、世界的な写真コンテストの入賞作はAIが作ったもの
だったという逸話が紹介されています。
その作品の題は「Pseudomnesia: The Electrician(訳‐偽りの記憶: 電気屋)」です。
その作品は、「ボリス・エルダグセン」(画像の作者)で検索すれば
多くのWEB記事で見ることができます。
例:
https://cgworld.jp/flashnews/PROMPTOGRAPHY.html
https://bijutsutecho.com/magazine/news/headline/27089
これらのページを見れば、現在の画像生成AIの性能に驚愕すると思います。
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(2)アナログ写真→デジタル写真→画像生成AI
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新聞記事「AIが揺るがす真実性」では、生成AIを語る前段階で、
「写真とは何か」について語られています。
「AIによる画像生成、私たちの想像力の汚染」では、
アナログ写真→デジタル写真→画像生成AI という順で語られています。
本メルマガでも同じ順序で語ります。
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(3)アナログ写真の革命性:技術的複製可能性
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「AIによる画像生成、私たちの想像力の汚染」では、アナログ写真
の革命性として、まず初めに「技術的複製可能性」を挙げています。
「写真の技術的複製可能性が、以前は社会的および文化的エリートに
限定されていた視覚表現を民主化し、より広い観衆にアクセス可能にした」
(「AIによる画像生成、私たちの想像力の汚染」より)
例えば、以前は肖像画は貴族などの特権階級に限定されていましたが、
肖像写真によって一般庶民に広まりました。
また、絵画はそれが展示されているところに行かなければ見れませんが、
写真は複製できるので、多くの人がどこでも見れるようになりました。
「AIによる画像生成、私たちの想像力の汚染」では次の弊害も指摘しています。
「一方で、特定の場所で展示される際に鑑賞者と特別な関係を生み出す
伝統的な芸術作品の一意性とオーラを破壊した。」
伝統的な芸術作品はそれが置かれている環境全体が文脈のようなものですが、
複製可能でどこでも見られる写真にはそのような文脈は無いという意味
だと思います。
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(4)アナログ写真の革命性:現実を機械的に再現する能力
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写真の革命性として、次に「現実を機械的に再現する能力」が挙げられます。
新聞記事「AIが揺るがす真実性」でも「写真の根本的な価値は、
そこに写っていることは間違いなく事実だという真実性だ」という
指摘があります。
「AIによる画像生成、私たちの想像力の汚染」の面白いところは、
ここでロラン・バルトの著作「明るい部屋」を持ち出していることです。
ロラン・バルトは20世紀のフランスの哲学者です。
私も知らなかったので、下記のユーチューブ動画で学びました。
育緒IKUOxロラン・バルト「明るい部屋」
https://www.youtube.com/watch?v=eA9t77wAJAo
このユーチューブ動画では、「明るい部屋」について「写真関係者なら
一回くらいは読んでみようかなと思って読み出すが、難解すぎて挫折する」
というようなことを言っていました。
私の理解の範囲内では、ロラン・バルトの主張の一部は次のようなことです。
・絵画の場合は描く描かないを画家が全て選べる。
・写真は全てをコントロールしきれない。
(予期しなかったディテールが写りこんでしまう。)
・その写りこんだディテールが個人的な感情を引き起こすことがある。
・それが写真の面白いところだ。
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(5)StudiumとPunctum
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「ロラン・バルトは、写真を区別するために Studium(写真が引き起こす
一般的または文化的な関心)と Punctum(写真の予期しないディテールが
引き起こす個人的な感情)の概念を導入しました。」
(「AIによる画像生成、私たちの想像力の汚染」より)
さて、冒頭で紹介した世界的な写真コンテストに入賞した生成AI画像を
見直すと、Punctumのようなものを感じます。
本当のPunctumではなく、作者が意図的に混入した偽りのPunctumを・・・。
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あとがき
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